もうひとつの「DOOR」

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□ 月 (白昼夢「扉」スピンオフ) □

月 (6)

体がベッドに沈んでいくみたいに重たい。手も足も動かせない。
頭ン中になんかつめこまれてるみたい。

ボソボソと押し殺したように話している男の声が聞こえてきてるけど、目が開けらんない。

「馬鹿やろう。お前、こんな予定変更が上に知られたら、ただじゃすまないぞ・・・?」

「仕方ないよ。予定の時間まで待ってたら、この子がターゲットをやっていたか、
もっと危ない目にあうか、どっちかだったんじゃないかな。限界だったよ。」

「だからっておまえ・・この子、どうすんだよ?
昼間、お前のことつけてた子じゃないか。なんなんだ?やばいんじゃないか?」

「大丈夫だよ。さっき僕が部屋に入ったときにはもう、気を失っていたし」

「じゃ、なんで昼間おまえのあとなんか、つけてきたんだ?」

「さあね。ヒマだったんじゃないの?坂木さん、この子、適当に家に帰してあげてよ」

「クスリ、飲んじまってるんだろ?」

「1回くらいなら、常用性のないクスリだから大丈夫だよ。うまくごまかしておいて。
たぶん、ショックで気を失ってるだけだからそのうち起きるよ。」

「そんなうまくいくもんじゃ・・・おい!どこ行くんだよ?」

「あとは頼むね。仕事は予定よりちょっと早まったけど、ちゃんと完了したんだし」

「おい! こら! 陽!」


・・・なんだろう・・・よくわかんない。頭が働かない・・・。
とにかく、あたし、死なないですんだんだ・・・。
クスリ、1回くらいなら大丈夫とか言ったよね・・・? よかった・・・。

少し安心したら、またどこかに引きずり込まれるみたいに眠くなった。






「・・・・・?」

ぼんやりとまわりが見えてくる。
ずいぶん長いこと、眠ってたのかな・・・、ここ、どこだ?

ベッド?あたしの部屋?・・・違う。
この壁の色は・・・ホテル?
ホテル!そうだ、あたし、変態野郎に殺されかけて・・・!

思わずガバッと飛び起きた。
とたんに、ものすごい頭痛と吐き気が襲ってくる。
あ、でも、手も足も縛られてない、助かった・・・?
キャミのひもは切れているけど、上着はちゃんと着ている。

よく周りを見てみたら、さっきの部屋とはちょっと違うみたいだった。
ベッドサイドの足元の明かりだけがついていて、あとは真っ暗。

その時、カーテンの閉められた窓のほうから、男の声がした。

「目が覚めたか」

外からの明かりで、シルエットだけが見える。
ちょっと太った感じの男。目が慣れてくると、ヒゲ面なのがぼんやり見えてきた。
誰・・・?

思わず身構えると、男は迷惑そうに言った。
「危ないところだったな。これに懲りてもう、売春なんてやめることだ。
もっと、子供らしい稼ぎ方があるだろう?健全なアルバイトでもしろ。」

「だ、誰よあんた!? 余計なお世話!」

「ふん。助けてもらっておいてそりゃぁないだろう。
きちんとお礼を言うこともできないような子供が、何もわからずに危ない目にあったからって助けてやることもなかったか? 自業自得ってやつだ」

「子供、子供って・・・バカにしないでよ!」

「子供に子供って言って何が悪い。
それに、バカじゃなかったら、あんな危ない目にあうか?」

く、くやしい! なんだよ、このヒゲ!デブ!
何か、言い返してやらなくちゃ・・・。

「そ、それに・・・それに、助けてくれたのはあんたじゃなかった!」

「助けたやつを・・・見たのか!?」

ヒゲがちょっと体を動かした。動揺してるのか?

「見たよ! た・・・たぶん・・・羽の中に、くるくるパーマの天使・・・男がいた・・・」

ふーっとため息が聞こえた。

しばらく黙っていたヒゲは、ちょっと凄みのある声で言った。

「それは夢だ」

「はぁ!?」

「夢だ。助けてもらいたかったのとクスリにやられて見た幻だ。」

「えぇっ!?」

・・・なんか・・・そう言われると、そうだったような気もしてくる。
昼間見た、あのパーマの男は、なんかとぼけたような顔をしていて、
危ないところを助けるヒーローには、似合わないかもしれない・・・なんて。

「さぁ、おじょうちゃん。もう夜も遅い。さっさとおうちに帰んな。」

見ると、ベッドサイドにちゃんとあたしのバッグも置いてある。
急いで中身を見たら、ちゃんと全部あるみたいだった。

「身許を調べるために、中は見せてもらったぞ。
子供のクセに、ブランド品なんか持ちやがって。
そんなのはなぁ、価値がわかる大人になってから持つもんだ。
危ない目にあいたくなかったら、子供は子供らしく・・・」

「うるせえよ!」

思わず叫んだ。説教はキライだ。うちのジジィみたいだ。

「ふん。背伸びもいいけどな、所詮子供は守られて生きてるんだ。
家でも学校でもな。そこを飛び出すからにはキケンもあるってこと、
腹にすえておけ。
そんなこともわからんガキならな、またどっかでこんな目に合うぞ。
今度はうまいこと助けなんかこないからな?さぁ、帰るんだ。」

あったまにくる。なんだよ? このヒゲ。
あたしは、荷物を持つとイキオイよく立ち上がった。
少し足がふらつく。

「気をつけな。フロントの前は通るんじゃないぞ。
エレベーターで3階まで降りたら、ショッピングモールのエスカレーターで外へ出るんだ。
わかったな?」

あたしは、これ以上ヒゲの説教は聞きたくなくて、
思い切りドアをしめると、一応、言われたとおりの経路を通って外に出た。



・・・・つづく




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Date:2010/07/12
Trackback:0
Comment:6

Comment

*

うん、秋沙さんのヒゲ(坂木)はやっぱり可愛いね。
おせっかいなとこが大好き。
もう少しこのまま喧嘩させておきたかったな。

しかしユミに言いたい。
陽はテンパーなんだああって・笑
2010/07/12 【lime】 URL #GCA3nAmE [編集] 

* limeさんへ♪

大丈夫?ヒゲ、かわいい?うざくない?(笑)

だって~~~坂木大好きなんだも~~ん(^^;
坂木の会話だったらすらすら書けちゃう。止めるのが大変なんだから(笑)。


あたしも言いたくなりました、ユミに。
「そんなにくるくるじゃないだろぉぉぉ!?」
2010/07/12 【秋沙 】 URL #mQop/nM. [編集] 

*

おお!ついにあの二人が登場しましたね。

中盤辺りは一瞬、
「あれ?ここってlimeさんのところ?」とアドレスを
確認したほどです。笑。

なかなかハイペースで更新してますね!
がんばって!
2010/07/14 【ヒロハル】 URL #- 

* ヒロハルさんへ♪

お待たせしました(笑)

こんなにハイペースで更新する予定ではなかったんですが、ストーリーがだらだらしてるので、読んでる方たちが飽きちゃうんじゃないかと思って(^^;

少しペースダウンしないと、もうネタが(^^;
2010/07/14 【秋沙】 URL #mQop/nM. [編集] 

* こんばんは^^

今日はブログに遊びに来て下さって、本当にありがとうございましたv-290
早速、「この前からの続き」を読みに来ちゃいましたよ(笑)。

実はね、4話くらいまで読んでたんですv-398
読み逃げしちゃってましたe-330

limeさんの所で読み始めて、すっかり夢中になってしまったこのお話。
秋沙さんがスピンオフを書かれていると、limeさんの所で知って、読みたくて読みたくて来てしまったんです。

秋沙さんの描く陽と坂木は、limeさんの所で感じる2人とは少し違った印象を受けます。
でもそれが全然良くて、秋沙さんがlimeさんのお話を凄く大切にしてる事が良くわかりますよ~~e-266

もうちょっとでエピローグまで読み終えますので、また改めてコメントさせていただきますね!
今夜の所は、ご挨拶まで・・・・。
本当にありがとうございましたv-411
2010/07/23 【】 URL #9dnUgMTg [編集] 

* 蘭さんへ♪

わ~~~い、初コメント、ありがとうございます!
読んでくださってたんですねぇ。うれしいです。

陽と坂木、ちょっと違いますよね・・・?大丈夫ですか?(汗)
なるべくイメージを壊さないように、でも、limeさんが書く二人よりはもうちょっと軽い感じに・・・といつも思いながら書いているんですが・・・。
この次のお話では、さらにイメージが違う二人かも・・・。

お時間のある時でかまいませんので、読んでいただければ本当にうれしいです。

また蘭さんのブログにも元気をもらいに伺いますね。
ありがとうございました!
2010/07/23 【秋沙 】 URL #mQop/nM. [編集] 

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