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□ 日々のたわごと □

【たわごと】 日本の原発事故~高村薫インタビュー~

 すっかりご無沙汰しております。
 
 被災地に住んでるわけでもないのに、なんでこんなにいつまでもブログが更新されなかったかというと・・・
 
 余震が続く間、近所に住んでいる新潟の上越出身の友達が、我が家に毎日疎開してきておりました。
 中越地震を経験しているので自信恐怖症、その上、現在妊婦。
 家に一人でいる時に余震が来ると、恐怖で思わず家を飛び出してしまった・・・なんて話を聞いたらあなた、「とにかくうちに来てなさい!!」ということにもなるもんです。
 
 
そんなこんなで、なんとな~くまだ「日常」には戻れずにおりました。
ゴールデンウィークに入ったら入ったで、これまた落ち着かない日々。


せめて、「たわごと」だけでも・・・と思うのですが、どうにも何を書いたらいいのかわからない日々。

あまり、小難しい話は得意ではない私なのですが、やはり、これだけは書いてから通常営業に戻していこう・・・と思い、まる二日かかってこの記事を書いております。


 
 私は「ノンポリシーがポリシー」とでも言いましょうか、特定の支持政党も持たず、特に信じる宗教もなく、理想とする生き方があるわけでもなく、世の中に流されるままにのほほんと生きていきたいと思っていました。
そのため、ネットを使って社会的な意見を言うことなどはなるべく避けてきました。
もしも、それについて突っ込まれることがあった時に、きちんと答えられるほどの根拠も理論も持たないからです。

それでも、この記事を書こうと思ったのは・・・今は娘を持つ親となっている私が、子どもの世代に何を残せるのか、と考えたときに、原発やエネルギー問題については避けて通れないと思ったためです。

小学生の時になぜか親戚から「反原発」という本をプレゼントされました。
でもまだ難しくて、解るところだけを拾い読みして、大人になってからは開くこともなく今も実家のダンボールのどこかにしまったまま。
高校時代の公民の先生からは、教科書に出ていない原発についての問題点を授業で教わりました。
そんな機会に恵まれていながら、今まで真剣に向き合ってこなかったことを、今は反省しています。

 
震災の1ヶ月ほど前から、奇しくも高村薫さんの著作、「神の火」を読んでいました。
10年ほど前に一度読んだことのあるこの本、原発についての細かい取材のもとに書かれているのですが、とにかく登場人物たちの生き様に感銘を受けて、「そう言えば舞台は原発だったな」という程度にしか記憶していませんでした。

物語の舞台が原発を中心に動き始めた部分を読んでいる頃、震災が起き、そして原発の事故が起きてしまいました。
それからは「原発の安全性」というこの小説の本当のテーマについても考えさせられました。


この、NHK「ニュースウォッチ9」で大越キャスターが行った高村薫先生へのインタビューは、動画で見ることができますが、あえて、こうして文章に起こすことで私自身の記憶にとどめ、未来に向けて小さな力であっても何かをしていくために日記にしておこうと思います。


--------------

(大越キャスター) 
 「一進一退が続く福島第一原発。
今回の事故は私たちが原子力にどう向き合うべきかを考える上で、大きな分岐点になったとも言えそうです。
 これまで原発を題材にした小説を発表し、その脆さや、原発をめぐる社会の歪みと言う物を問いかけてきた大阪在住の作家、高村薫さんにインタビューしました。」
 
 
作家の高村薫さん。
25年前のチェルノブイリ原発の事故をきっかけに、原発の持つ危うさに関心を持ってきました。
その5年後に発表された小説「神の火」。
原発の構造を徹底的に取材し、テロや戦争に対して脆弱だと警鐘を鳴らしました。

しかし今回、恐れていた事態が津波で引き起こされた意味は重いと考えています。


大越「原発がやられたんだ、と知った瞬間、どんなことを思われましたか」

高村「自分が生きている間に、こう言うことが起こるとはよもや想像していなかったので、この先も日本の国が、
   国としての形をちゃんと保って存続できるかどうか、それくらいの瀬戸際に立たされている大きな事故だと   思うんですよ。」

何故、事故は避けられなかったのか。
高村さんは、非常用のポンプや電源が屋外に設置され、対策が施されていなかったことに愕然としています。


高村「『想定外』という言葉が使われていましたけれど、今回の場合にはそもそも想定しなければならないことが   想定されていなかったという意味では、『人間のやることには限界がある』以前の話で『問題外』の事態だ   ったとわたくしは思っているんですね。
   『これで大丈夫だろうか』という想定をするときに、非常に恣意的に自分たちの都合のいいように作って    きたという感じがします。
   ですからこれはわたくしは、『科学技術のモラルの問題』だと思います。」

さらに、高村さんが厳しい視線を送っているのは「政治」です。
原発推進の是非をめぐる対立。
政治家が客観的データを元に論ずるより先に、原発を「政争の具」にしてしまったと感じています。


高村「村が二分され賛成反対に分かれて対立する不幸な歴史がずっと続いてきたわけですよね。その中で、本
   当の技術的な問題が結局誰も理解出来ないまま、あるいは正しい情報が出ないままになってきた。」

高村さんは2005年に発表した著作の中で、原発誘致に携わった政治家にこう発言させています。

「電源多様化を名目に、わが国では代替エネルギーとしての原発増設に拍車がかかった。疾走する原子力事業に対して、政治は時々に正しい舵取りを成し得たのか否かだが、答えは少々心もとなかったと言わざるをえない。」(高村薫:著「新リア王」より)


高村「この日本の原子力政策が行われてきた半世紀は‘55年体制’と同時でしたので、原発の問題が常に賛成
   か反対かに分かれて、常にイデオロギーと一緒にされてきたんですね。それが非常に不幸なことで、わたく   したちが消費者あるいは国民として、イデオロギーや政党色を(脇に)置いて、まさに科学技術としてどの   ような技術的な評価が行われてきたのかを知りたいんですね。」


そして、事故が起きた今こそ、判断に必要なデータがあると指摘しています。

高村「この地震国で原子力発電をするときのコストを、もう一度冷静に計算する必要が絶対にあると思うんです。   それは例えば、耐震化工事にかかる費用、あるいは事故が万一起きたときの保障や賠償の費用。その上     でわたくしたちが、それでも原発を使うのか、それこそわたくしたちの選択にかかっていると思うんですね   。」

最終的な選択を迫られるのは私たち自身だ、という高村さん。
日本のエネルギー政策や暮らしのあり方が問われていると考えています。


高村「わたくしたちが今できるのは、逃れられない現実に耐えてみつめ続けるか、あるいは目をそらしてなかった   事にするか、逃げるか、なんですね。
   わたくしは逃げてはならない、と思いますね。
   現実に福島で、生まれ育った土地、仕事も家も子どもも何もかもある土地を追われて現実にきょう明日にも   逃げていかなくてはならない方達がおられる。
   それをなかった事にして、時間が経てば元通りになるという根拠はどこにもない。」

大越「これだけのことがあっても、今の豊かな電力供給を原発がになっている以上は、それに乗っかって生きて    いく道を無意識に選択している人達も実際多いですよね。」

高村「これまでと同じように生きるという選択肢はないんだと思っています。わたくし自身は、今すぐには無理だ   けれども10年とかいうスパンで考えたとき、日本は(原発から)脱却をして次のエネルギー社会に進むべき   だと思っています。原子力発電という技術を否定するものではありませんけれど、日本は地震国なので無理   だと、そういう理由です。」


(大越キャスター)
 「高村さんは、「自分は科学技術に対して全面的に信頼を持って育ってきた世代で、科学技術というものを前向きに評価している」ということでした。
そこで、この震災を機に次世代のエネルギー社会を作るという夢を掲げて一歩抜け出すことを、日本は考えるべきではないかと話していました。
原発を徹底的に取材して警鐘を鳴らしてきた作家の良心が、そう語っているように思えました。」

-------------


また、この放送の直後に、ツイッターで江川紹子さん宛に「原発は『政争の具』とされてきた」ということをつぶやいた方がいて、それに対して江川さんが返していた言葉も記しておきます。

「それもあるが、あなた自身も、原発の安全性に対する問題提起を政治的なイデオロギーが動機だと思い込んで耳を閉ざしたり、過少評価したことはないか。
私はある。
今の一番の反省はそれ」


 今までどこかで、大越キャスターの言うように、国の偉い人達がいろんな事情で原発を推進してるんだろうし、実際原発がないと電気が足りないんだし、なんの力もない国民一人が反対したところでどうにもなんないようなぁ、という気持ちを持っていました。
 
 でもこれは、「どうせ誰が政治をやっても同じなんだし、私一人が投票したりしなかったりしても関係ないや」と投票に行かずに、でも政治に不満だけはたらたら言っているのと同じ。
 
 せめて私はムスメに、「これから大人になって働いて、いつか子供を産むかもしれないんだから、あなた達は原子力発電をどうするのか考えていかなくちゃならないよ。」と話して聞かせていくつもりです。
 
 
長くなりましたが最後に、高村薫著、「神の火」から印象に残ったセリフ。

「人間はね、『絶対』という言葉を使ってはいけないのだよ。」
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Date:2011/05/06
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* No Title

お帰りなさいませ。なにかあったのかと思っていたらそういうことでしたか。たしかにブログなんてやってられる状況ではありませんでしたなあ。

今回の事態、まさしく「問題外」の事態でありました。みんなわかっていながら目を閉じ耳をふさぎ口を押さえて生きてきた時点で、同罪であります。

今いちばんやっておかなければならないことは、「原発のリスクがいかなるものであるかを理解すること」よりも、「今現在のわれわれの状況がいかなるものであるか」を冷静に見つめることではないか、そして一度見つめたら、それを持続させることではないかと思います。

原発のリスクといわれても、それを考えることは容易なことではありません。今の日本人にそれをやれといわれても、またもイデオロギー的賛成反対に堕してしまうでしょう。

その一方で、不完全ないし誤った知識により、デマがはびこり風評被害が続出するという事態も起こっております。その現在の「不完全ないし誤った知識」をどうにかしないと、「不完全ないし誤った知識」が、常識として固定されてしまう。それはまずいのではないかと思うわけであります。

これは決して楽な仕事ではありません。原子力発電というシステムそのものが、複雑に絡み合ったいくつもの学問から成立するものである以上、それらを統合して、ひとつのわかりやすく正しい説明を与えるのはどう考えても困難であります。

それでもやらざるを得ません。そうしなければ「ピカの毒がうつる」などといわれていた終戦直後の愚行をもう一度繰り返すことになるからです。

つくづく、無知は罪であります。
2011/05/06 【ポール・ブリッツ】 URL #0MyT0dLg [編集] 

* No Title

あきささん、ひとまず、おかえりなさい。
少し、落ち着きましたか?

インタビューの件、教えていただいてすごく感謝しています。何度も見返しました。
改めて、いろいろ考えさせられましたし、これは全ての人が考えなければならない問題ですね。
『これまでと同じように生きるという選択肢は無い』
これは、本当に重い言葉であり、これからの指針ですよ。うん。


ポールさんのコメを読みながら、うん、と深く頷いていました。

まさに「無知は罪」。(これは風評被害についてですが)
専門的知識なくとも、正しい判断をしようと思えば、その材料は揃っているはず。
まずは、私たちは正しい知識を取り込むことから始めなきゃなあー、と思います。
せめて、そこから・・・。
2011/05/06 【lime】 URL #GCA3nAmE [編集] 

* ポールさん、limeさんへ♪

本当に、「無知は罪」ということを、今回の震災では思い知らされました。
デマや風評被害のほとんどは、無知から来てしまいますよね。
そして、原発というものの問題点の大きさに、今まで耳を塞いで眼を閉じていたことを痛感させられました。

いったい、何ができるんだろう、と思ってしまいます。
今も現実に、浜岡原発だけを停止するということになりましたが、首都圏に近い浜岡だけを止めて、東電の電力不足をアピールして、安全性に配慮していることのアピールもして、結局は「安全な原発を」なんて言って、このまま原発を使い続けていく事には変わりがない事をどさくさに紛れて納得させられているような気がするんですよねぇ・・・。
新しいクリーンエネルギーにシフトしていこうという話は、ちっとも具体的には出てこないですねぇ・・・。
2011/05/11 【秋沙】 URL #mQop/nM. [編集] 

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