もうひとつの「DOOR」

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□ ショートストーリー □

白昼夢番外編 『秋の夜長』 ~キリ番3000記念!ポール・ブリッツ様へ捧ぐ~

初の試みでございます。
キリ番3000、結局どなたが踏んだかわからず仕舞いでしたが、早いもん勝ちに真っ先に名乗りをあげやがったあげてくださったポール・ブリッツ様に、このショートショートを捧げます。

はい、もう、お叱りは重々覚悟しております・・・(ToT)






 その日、形式的な事務手続きをするために本部に出かけた坂木は、辰巳の部屋に顔を出した。
 
わざわざ瑣末な事で本部に呼び出されることに対する不満を、辰巳にでもぶつけてやろうと思ったのだ。

役員室に入ると、辰巳はデスクに座って何やら書類を読んでいた。
「入るぞ。」
坂木が声をかけると、辰巳は顔も上げずに
「お前か。なんだ?」
と答えた。

坂木がずかずかと入っていき、ソファーに腰を下ろしても、まだ書類に没頭している。
A4の用紙にプリントされているらしいその書類は、かなりの枚数がありそうだった。

「おい。」
自分の来訪を気にも留めないその態度にいらつきながら坂木がもう一度声をかけると、辰巳はやっと少し顔をこちらに向けたが、その視線はまだ書類から何かで引っ張られているかのように文字を追っている。

「何を読んでるんだ?」

「あぁ、これか?」

辰巳はやっと、書類をデスクの上にぱさりと乾いた音を立てて置いた。
疲れたように目頭を揉んでいる。

「いい加減にかっこつけてないで、老眼鏡を使えよ。」
「なんだと? 俺はまだ充分にこのままで書類が読める。」
「その割には眉間に皺が寄ってるぞ。」
「重要書類なんだから真剣になるのも当たり前だ。」
「お前さんが仕事の書類を真剣に読んでるところなんて、見たことがなかったがな。」
「うるさいな。」

「ところで・・・何の書類なんだ?」

「これは・・・情報部が作った計画書だ。」
「計画書・・・?」

「そうだ。今までは仕事のやり方は実行部隊を経験したものが、情報部から来るターゲットやその近辺の情報を元に計画していたんだがな、近頃は新しい試みをしてみているんだ。」

「ほう?」

「情報部の中には犯罪心理学や様々な事件のトリックに精通している者がいてな、なかなか優秀なので、そういう観点からも仕事を組み立てて計画書を提出させることにしてみたってわけだ。」

「そういうのは、机上の空論で実際には使えないんじゃないのか?」

「もちろん、それを元に、実行部隊のベテランが精査するんだ。」

「めんどくせぇな。二度手間だろうが。」

「時代も変わってきてるんだよ。インターネットだとか情報社会だとか、今までの古い頭の連中が思いもよらないところで穴があったりするから、そのへんにも詳しい新しい考えが必要だってところだろ。」

「そんなもんかねぇ。それで、それがその『計画書』なのか。」

坂木が覗き込むとそこには、ずらずらと細かい文字で何かが書いてある。

「そんなに夢中で読むようなもんなのか?」
思わず口をついて出た疑問に、辰巳は苦笑いで答えた。

「これは、新しい幹部候補生が書いたもんなんだが・・・これがなぁ・・・。」

「なんだ? 問題があるのか?」

「いや・・・それが・・・小説仕立てになってるんだよ。」

「小説ぅ?」

思わず坂木は笑い出してしまった。
辰巳はますます、苦虫を噛み潰したような顔になる。

「小説に仕立てるなんて、そんな手間をかけてるヒマがあったら、さっさと使徒を動かしたほうが早いんじゃないのか?」

「それもそうなんだが・・・こいつに限っては、こうやって書くほうがスピードも早いし、細かいところまできちんと計画を立てられるんだと。」

「どんなふうに小説にしてあるっていうんだ?」
必死に笑いを抑えながら、ほとんど涙目になりそうになって坂木が質問した。

「そりゃぁもう、毎回手法も違う。ターゲットの目線になっていたり、使徒の目線になっていたり。周辺の人物の心境まで書き込んであってドラマティックな展開になっていることもある・・・。」

「やめさせろやめさせろ! お遊びじゃないんだぞ!」

「う・・・まぁ・・・そうなんだが・・・。いや、しかし・・・。」
辰巳にしては歯切れが悪い。

「なんだ? どうしたっていうんだ?」

「これが・・・なかなか面白くてな・・・。癖になるんだ。最近、俺はこれの新しいのが来るのが楽しみで仕方ない・・・。」

これには二の句がつげない坂木だった。




 辰巳の部屋を訪ねた本来の目的も果たせないまま、また辰巳は書類に没頭してしまったので仕方なく坂木は帰ることにした。
 
「陽、帰るぞ。」

図書室で待っている陽に声をかけると、そこにはもう一人男性がいた。
メガネをかけて、いかにも秀才という感じのインテリ風の男だ。幹部候補生だろうか。

「あ、坂木さん。用事は済んだの?」
「あぁ。」
「わかった。それじゃ。」

陽はその男性に向かって軽く挨拶をして、図書室を出てきた。


「見かけない奴だったな。新人か?」
「情報部の人だって。」
「そうか。」

それなら、あの『計画書』を書いた人物ということもありえるなぁ、と坂木はぼんやりと考えた。


 本部からほど近いホテルに戻ると、陽はすぐに端末を出して何かやり始めた。
「坂木さん、先にシャワーいいよ。」
「あぁ。」

(仕事の指示が来ているわけでもないだろうに、またゲームにハマってるのか?)と、ベッドにうつぶせになって端末をいじる陽を横目にシャワーを浴びに行った。

出てくるとまだ、陽は端末をのぞき込んでいる。

「帰るなりやりたくなるほど、楽しいゲームなのか?」

陽はちょっと、顔を上げてまたすぐ端末に視線を戻しながら答えた。
「ゲームじゃないよ。ネット小説。」

「ネット小説?」

やれやれ、また小説か。どいつもこいつも・・・。
坂木はちょっとふてくされた気分になって、ベッドに腰掛けて濡れた頭をタオルでごしごしと拭いた。

「今流行りのネット小説か。素人の書く文章が面白いのか?」

「うん、これね。さっきの情報部の人が匿名で公開してるんだって。歴史ファンタジーっていうのかなぁ。」

「・・・面白いのか?」

陽は答えない。もう画面に夢中だ。

「おい、面白いのか?」
思わずちょっと声が大きくなった坂木だった。

陽は上の空で答えた。
「うん、すっごく。」

「歴史ファンタジーってなんだ? 長いのか?」

「これは結構な長編だよ。すごいなぁ。ちょっと坂木さん、今いいところだからさぁ。テレビでも見ててよ。集中できないよ。」

「なんだとぉ?」

画面を覗き込むと、『紅蓮の街』というタイトルが見える。

「・・・おい・・・俺にも読ませろ。」

「ちょっとぉ、今僕が読んでるんだから、自分の端末は?」

「いいから、貸せよ。じゃぁ陽、お前、俺の端末でそこにアクセスしといてくれよ。URLを入れるのがめんどくさい。」

「いやだよ。自分でやってよ。ちょっと、どこまで読んだかわからなくなるじゃないかー。」
「覚えておけばいいだろ。読ませろって。」
「自分でやってよー。」


 二人の秋の夜は、まだまだ長くなりそうだった。




失礼いたしました~~~~~°゜°。。ヘ(;^^)/ スタコラサッサ



・・・・OEAの未来が心配になりますね・・・。

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Date:2011/10/10
Trackback:0
Comment:18
Thema:オリジナル小説
Janre:小説・文学

Comment

* ぐあ!w

お・・・・寝る前にちょっと覗いたら・・・・!

ごめんなさい! ポールさんより先に読んで、にったら笑ってしまったーー。

また、改めて来ますっっw
2011/10/11 【lime】 URL #GCA3nAmE [編集] 

* limeさんへ♪

ごめんなさ~~~~い!
こんな所にも、三人をお借りしちゃいました~。
たまには自分でちゃんと考えて書けよって(^^;)
2011/10/11 【秋沙 】 URL #mQop/nM. [編集] 

* No Title

「陽も読んでるクリスタルの断章」

おお、これはCMになる。

いただいていっていいですか?(^^)
2011/10/11 【ポール・ブリッツ】 URL #0MyT0dLg [編集] 

* No Title

うわぁぁ、おもしろい!
これ、すっごくおもしろいです。笑っちゃいました。
いいなあ。
それに、陽に久々に会えたのが嬉しいです。
陽と坂木の漫才のような会話もグッド!
2011/10/11 【西幻響子】 URL #U8GV5vt2 [編集] 

* ポールさんへ♪

たいした捧げ物にならず、申し訳ありませ~~~ん。

陽のご利用については、limeさんまでお問い合わせください(^^)
2011/10/11 【秋沙 】 URL #mQop/nM. [編集] 

* 西幻さんへ♪

いやはや、ポールさんがよくやっている「捧げ物」シリーズを真似してみたんですが、いかんせん発想が貧困なので・・・とてもじゃないが、ポールさんの足元にも及びませんでしたわ(^^;)

そういえば陽が出てきたのは久しぶりでしたね。
本当は、坂木と辰巳のシーンだけで終わりにしようと思ったのですが、陽がご無沙汰だから僕も出たいって・・・(^^;)
2011/10/11 【秋沙 】 URL #mQop/nM. [編集] 

* No Title

ぷぷぷ。面白かったです。
皆さんで皆さんのキャラをゲストにパーティーでもやっちゃったら楽しそう?
濃そう~~・・・

それにしても、ほんの数日前の公言から、
お話を書き上げてしまう秋沙さんがすごいです。
2011/10/11 【けい】 URL #- 

* けいさんへ♪

皆さんのキャラが集合しちゃったら、もうカオスですね(^^;)
あ、でも、このお話の場合、作者さんが出てきちゃってますが。

こういうおふざけだったらスラスラと浮かんじゃって、本編がまったく進まない所が困ります(^^;)
現実逃避とも言ふ・・・。
2011/10/11 【秋沙 】 URL #mQop/nM. [編集] 

* No Title

また来ました!
もう、なんでこんな面白いの書いちゃうんですか~~。
だから好きよ♡

なんか、OEAの空気がぐっと和んで、うれしいなあ。
陽にも久々に会えたし^^
こんなふうにじゃれあってるのねえ、君たち。いいなあ。

「陽も読んでるクリスタルの断章」 ・・・最高っす。

けいさんが言うように、みんなのキャラが集合したら、すごいことになりそう^^カオスですね。誰が主導権とるのか。誰と誰が仲悪くて、どっかで・・・・恋が芽生えたり(u_u*)ポッ
(誰が書くのさ!!)

またやってください!ww
2011/10/11 【lime】 URL #GCA3nAmE [編集] 

* No Title

みんなのキャラが登場したら、めちゃくちゃおもしろそうですね。
たとえば複数で共有できて、みんなが書き込みできるブログ(?)を用意して、そこに順繰りに各々のキャラの会話を書き込んでいくとか…(笑)
2011/10/11 【西幻響子】 URL #U8GV5vt2 [編集] 

* limeさんへ再び♪

スピンオフのスピンオフ?
わけわかんないですね。
勝手にこんなふうにOEAを和ませちゃって本当に良かったんですかね?(^^;)


あはは~~~キャラ同士で恋が芽生えちゃったら面白い!書いてみたいですね、そういうの。limeさんもぜひ♪
2011/10/11 【秋沙 】 URL #mQop/nM. [編集] 

* 西幻さんへ再び♪

レンタル掲示板とかでやったら面白いかも。

実は私、やったことあるんですよ。そういうの。
リレー小説とか。(ね?limeさん)(^^)
それぞれが自分の主人公の目線でお話を進めるんですが、その主人公たちが一同に会している場面を順番に書いていくんです。
前の人が書いた部分を自分のキャラの目線で考えていることなどを書いてから、その先を書き進めていく。
自分の中で展開を用意していても、順番が回ってくるまでに予想外の方向にお話が行っちゃったりして、なかなかスリリングです(笑)

リレー小説とまで行かなくても、会話を書き進めるのも面白いかも~~~。
しかし、ホント、大変なことになりそうですね(^^;)
2011/10/11 【秋沙 】 URL #mQop/nM. [編集] 

* No Title

舞台をどこにするかで出せる登場人物も変わってくるからなあ……。

紅恵女子高等学校生徒たちならどこへでも出せるけど(笑)
2011/10/11 【ポール・ブリッツ】 URL #0MyT0dLg [編集] 

* No Title

そっか。
うちの子たちは、いつでもどこでも登場させられるけど、ポールさんは、ほとんど現代じゃないですもんね^^
日本でもないし・・・。(言葉も通じない)いや、でも、現代日本に現れるガスやナミ・・・って、おもしろそうww

そういえば、秋沙さん、やりましたねえ、リレー小説。
私は読んでるだけだったけど。
楽しかったなあ^^
2011/10/12 【lime】 URL #GCA3nAmE [編集] 

* No Title

めっちゃ面白そう!

エンタメ企画にはうちのカラオケ・キング(得意技・モノマネ)を出しますので、
何でも申し付けてくださいっ^^
2011/10/12 【けい】 URL #- 

* No Title

>limeさん

横レス失礼します。

うちの子はほとんど現代日本に住んでいますが(^^;)

精神科医ナイトメア・ハンター桐野くんでしょ、
私立探偵紅恵美ちゃんでしょ、
諮問探偵プリンス・ザレゴット・ダイスキーさんでしょ、
もちろん範子に文子でしょ、
趣喜堂の面々でしょ、

それらを足し合わせるだけでこれまでブログにのせた原稿の半分程度になるのですが(^^;)

目立たないのは、単に人気がないだけです(笑)
2011/10/12 【ポール・ブリッツ】 URL #0MyT0dLg [編集] 

* No Title

>ポールさんへ

(なんで私らはここでやり取りしてるんだ・爆)

そう言われれば・・・。
諮問探偵プリンス・ザレゴット・ダイスキーさん以外は、みんな知ってますwww
なんか最近ホームズや、エドさんや、終末港の面々ばかり読んでたので、すっかり・・・。

でも、リレー小説に範子と文子が出てきたら、収拾付かなくなるか、みんな爆破されて終わりそう・・・^^;

2011/10/12 【lime】 URL #GCA3nAmE [編集] 

* けいさん♪ ポールさん♪ limeさん♪

どうぞどうぞ、ここで盛り上がって下さいませ(^^)

みんなのキャラを集めたら・・・想像したらほんと面白い。
けいさんのところのモノマネ上手さんが出てきちゃって、西幻さんのところの銀ちゃんと対バン?
すごいライブになりそうだなぁ~~~。

あ、そうか、私がこのお話の中でポールさんのネット小説に「紅蓮の街」を出してしまったから、なんとなくポールさんイコール「紅蓮の街」になってしまったのかな、ごめんなさい。

ポールさんの作品の中で、私が全てを読破できているのは「紅蓮の街」だけなもんで。。。す、すみませ~~~ん。

いやぁ、リレー小説に範子と文子はもう、収集つかなそうですね。ある意味、最終兵器・・・(^^;)


しかしながら皆さん、お忘れなく。
このショートストーリーに登場しているのは、ポールさんの書いたキャラではなくて、ポールさんご自身です(笑)
2011/10/12 【秋沙 】 URL #mQop/nM. [編集] 

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