もうひとつの「DOOR」

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□ 月 (白昼夢「扉」スピンオフ) □

月 (5)

飲み物とサンドイッチが運ばれてきて、カワハラと話をしながら食べた。
超うまい。やっぱ高級ホテルは違うなぁ。
ルームサービスなんて、初めてだよ~。

カワハラは、バイトの話はまだしてくれない。
街で遊ぶ友達のこととか、なんかすごく上手に聞き出してくれるから
こっちも楽しくなっていろいろしゃべりまくっちゃった。

食べ終わって、結構時間も経っちゃったから、あたしは思い切って訊いてみた。

「・・・・で、バイトってどんなことするんすか?」

「うん。それはね。」

カワハラはふ~っとタバコの煙を吐き出すと、灰皿でもみ消した。
上目遣いにちらっと私を見る。
なんだか、ドキッとした。

「ちょっと、写真のモデルになってほしいんだ」

「え~? モデルっすか~?」
まじで~? ちょっと、そんなのできんのかなぁ、あたしがデルモ!?

カワハラは立ち上がって、私に視線をおいたまま、後ろに回りこんできた。

「ユミちゃん、肌きれいだし・・・」

!!??
上着を脱いじゃったから、キャミだけでむきだしになってる両肩に、カワハラが後ろから手を置いた。
冷たい手。ぞくぞくっとする。

「ちょっと、何する・・・」
言いかけたとき、すっとカワハラのその手が腕をすべっておりたと思った途端、
急にロープみたいなもんで両手を縛り上げられた。

「やだっ! やめて・・・!!??」
叫ぼうとすると、今度はほっぺたに冷たいものを押し当ててくる。

「大きな声、出さないほうがいいよ? 顔に傷は作りたくないだろ?」
カワハラはそのまま、またあたしの前に来た。手に持っているのは、医者が手術に使う・・・メスってやつ?
体がガクガク震えだす。今度は白いハンカチみたいなもので、口をふさがれた。
苦しい!

すっごく怖くなって、あたしは必死にイスから立ち上がった。
でも、手を縛られているからうまく動けない。
簡単にカワハラにつかまって、ベッドの上に投げ出された。

「暴れないほうがいいよ? 僕だって、顔には傷をつけないであげたいんだから」

馬乗りになってあたしを押さえつけるカワハラの顔は、相変わらず微笑んでる。
でも、目つきがさっきと全然ちがってギラギラしてる。
こいつ! 変態だったんだ! やばいよ!

必死に暴れてみたけど、簡単に足も縛られてしまった。
しかもこいつ、鼻歌なんか歌いながら、まるで荷物のひもを縛るみたいに楽しげにやってる!
イカレてるよぉ。

完全にあたしを動けなくしたカワハラは、ふぅ、と満足そうにため息をつきながら
ベッドの端に座って、乱れた髪を手で整えてからタバコに火をつけた。
さっきはジェントルマンだなぁと思っていた動きが、全部恐ろしく感じる。

唯一自由に動かせる目で様子を伺うと、視界に飛び込んできたのは
ベッドサイドにいつの間に出されたのか、いろんな大きさの10本位のメスのセット。
あたし、殺されるの? いやだ! こんな変態に殺されたくないよぉぉ。

叫んでも「うーっうーっ」と変な音みたいな声しか出ない。
とにかくメチャクチャに体を動かした。
死にたくない! 死にたくないよ!

カワハラは煙を吐きながら、落ち着き払って私を見ている。
優しげな声を出して、ヘビとか爬虫類みたいな無表情な目で口元だけゆがんだ笑いを浮かべて言う。
「どうしたの? 怖いの? 大丈夫だよ。殺したりなんかしない。それにね、もうすぐ
痛みなんかなくなるよ。とっても気持ちよくなるんだ。ほら?」

カシャカシャ、と音をたててあたしの目の前でガラスのビンを振ると、
ふたをあけて白くて丸いクスリを出した。

「これを飲むとね? 痛みがマヒして気持ちよくなるんだ。
いいか?この事は絶対に誰にもしゃべるなよ?? ヤスみたいには、なりたくないだろ?
あいつはねぇ、客が一人死んだくらいでびびっちゃってね。
うっかりドジふみそうになったから、何もわからなくしてやったんだ」

さっき友達から聞いた話が、あたしの頭の中でぐるぐるまわる。
『ヤス、もう廃人? とかって・・・。』
『何人か女の子も、クスリ売られてたみたいで・・・』

「ユミちゃん、ほんとうにキレイな肌だ・・・。ここにね・・・赤い血が流れると
もっと美しい・・・」

メスがキャミの肩ヒモをぶちっと切る。

「大丈夫。ちょっと血が出るだけだから。残るような傷はつけないよ。
痛みがね・・・だんだん快感に変わるから・・・」

胸元にすっと痛みのような熱さのようなものを感じる。みるみる血がにじんできて流れ出す。
いやだ! 痛いじゃんよぉ! 信じらんない!

カワハラは片手にメスを持ち、もうかたっぽの手にクスリを持ってあたしの上に馬乗りになり、
無理やり口を開かせようとしてほっぺたをすごい力で押してくる。

痛い! 怖い! 怖い! 怖い!

涙があふれ出してきて止まらない。誰か!助けてよー!!!

「飲め! 飲みこめって言ってんだ!」
カワハラがすごい剣幕で怒鳴る。
一瞬、ビクッとした隙に、口の中にクスリが投げ込まれて、のどに何かが通るいやな感じがした。

う・・・そ・・・? 飲んじゃった!?

カワハラは満足げに笑うと、今度はスカートをまくりあげた。
太ももに、冷たい感触が這う。

その時、あたしは自分の手が急に自由になったのを感じた。
めちゃくちゃ暴れたから、ロープがほどけたんだ!

とっさに手を横にのばすと、冷たい金属をつかんだ感覚があった。
でも、すぐにバレた。

「なにしてるんだ! このアマ!」
メスをつかんだあたしの手は、すぐに頭の上で押さえつけられて、顔を平手でバシッと殴られた。
枕が破れて、中の羽が舞い上がる。

もう・・ダメだ・・・。

そう思ったとき、急に体が軽くなった。
カワハラが起き上がって、「なんだおまえ!? どっから入った!」と叫んでいる。
なんか争うような音がして、ドサッと重いものが落ちたみたいな音。

だんだん頭がしびれてきて、目がかすんでくる。
その時、白い羽が舞い散る中に、見覚えのあるウェーブの髪が見えた。


あれは・・・天使・・・・?



そのまま、あたしは気を失った。


・・・・つづく





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Date:2010/07/11
Trackback:0
Comment:6

Comment

*

うわあ、ド変態男だあ……。

こんな男にかかわるような生活、この娘もやめたほうがいいと思うけど……続けてしまうんだろうなあ。

薬飲んじゃって大丈夫かなあ。
2010/07/11 【ポール・ブリッツ】 URL #0MyT0dLg [編集] 

* ポールブリッツさんへ♪

いまどき、こんなに危機感のない女子高生っていますかねぇ(^^;

このへんに私の作るお話の安易さが見え隠れ(いや隠れてないんですが)してますね(笑)。

実は変態なやつのこと書くのは大好きです(笑)(笑)。
特に、見た目が普通だったり、社会的には立派なやつだったりする人の隠れた異常性癖とか(^^;
あたしもかなり変態なんですかね。

ユミちゃんの無事を祈っててください。
2010/07/11 【秋沙 】 URL #- 

* 管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます
2010/07/12 【】  # 

*

いや、かえってリアリティがあるんじゃないでしょうか?

人間は、「自分だけは危険な目に遭わない」という根拠のない自信を持っているのが大半ですから……。
2010/07/12 【ポール・ブリッツ】 URL #0MyT0dLg [編集] 

* 鍵コメさんへ♪

いろいろとお気遣いありがとうございます(^^)
全然気にしなくていいんですよぉ~。
イヤだったら行きませんって(笑)

カワハラみたいな男、書いてて楽しいけど実際にいたらイヤですね。っていうか、世の中にはいるんでしょうけれど、近寄りたくない(^^;
2010/07/12 【秋沙 】 URL #mQop/nM. [編集] 

* ポール・ブリッツさんへ♪

わ~~~い!そう言っていただけるとうれしいです!
そうですよね?ね?ね?(笑)
これだけ気をつけろと言われているのに、時々実際に監禁されてしまったりさらわれてしまう若い女子がいるのですから、やっぱり「自分だけは大丈夫」とか「事件なんてどこか遠くで起きている」っていう意識がどこかにあるもんなんでしょうね。(ってことにしておいてください)(^^;
2010/07/12 【秋沙 】 URL #mQop/nM. [編集] 

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